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永眠を捨てた青少年
第2章 2
「しずとの逢い引きは見て見ぬ振りをして、二人で将来夫婦になって幸せになる夢を見させるのも、俺がお前を斬り殺しかねないくらい怒ってみせたのも、鹿狩家を捨てて駆け落ちを決心するよう導いていったのも、全部その方がおもしろいからだ」

 小霧は龍玄の言葉に——
 目の前が真っ白になるような感覚におちいった。
 ——すべては。
 ——なにもかも。
 ——義父上の。
 ——手のひらの上だった——。

「見抜けなかった方が悪い」
 龍玄は手にしている鞭を指でいじりながら言った。

 小霧は欠けるかと思うほどの力で歯を食いしばる。
「……見抜けなかった方が……悪い……だって……? ……見抜けなかった方が……? 見抜けなかった方が……? 見抜けなかった方が!?」
 龍玄をにらむ小霧の目が血走っていく。

「そんな怖い顔するな小霧……こうして玩具の体を痛めつけるのも、何か本当に尋問する理由があった方が気分がたかぶるではないか。ただもてあそぶだけでは興奮に乏しい」
 龍玄はそう言うと、一発、強くしずの股間の突起に鞭を振り下ろした。
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