この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
永眠を捨てた青少年
第2章 2
そして——気がついた。
——なぜ。
——龍玄は。
——この状況で……
——斬りかかってこないのか……?
足の腱を切ったとはいえ片足だ。
まして龍玄なら、踏ん張って立ち上がり、小霧を後ろから斬り殺すなど造作もないことでは——。
小霧は顔を上げた。
龍玄がいない。
そして——しずの姿も、なくなっていた。
「……!」
小霧は小屋の中を見回した。
ふと壁の隅に落ちている、あるものが目に入った。
それに近寄ってみる。
小霧がしずに贈った、梅の髪飾りだ。
「しず……!」
小霧はそれを拾い、懐にしまいこんで周りを見た。
——なぜ。
——龍玄は。
——この状況で……
——斬りかかってこないのか……?
足の腱を切ったとはいえ片足だ。
まして龍玄なら、踏ん張って立ち上がり、小霧を後ろから斬り殺すなど造作もないことでは——。
小霧は顔を上げた。
龍玄がいない。
そして——しずの姿も、なくなっていた。
「……!」
小霧は小屋の中を見回した。
ふと壁の隅に落ちている、あるものが目に入った。
それに近寄ってみる。
小霧がしずに贈った、梅の髪飾りだ。
「しず……!」
小霧はそれを拾い、懐にしまいこんで周りを見た。