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永眠を捨てた青少年
第2章 2
 床に落ちた血が点々と線を描いている。
 龍玄のものだろう。その線の先、奥の壁に引き戸がある。その引き戸が開いていた。裏口だろうか。

 小霧はなんとか全身に力を込め、右手に刀を握りしめたまま立ち上がった。
 奥の引き戸へと向かう。

 引き戸の前に立ち、その向こうを見る。
 物置のようだ。薄暗いが、どこかから光が差し込んでいる。
 下に目をやる。血の跡が奥へと続いている。
 やはりこの先に裏口があるのか。
 だとしたら龍玄は、しずを抱えてそこから逃げたのだろうか。

 小霧は引き戸の向こうへ踏み込んだ。
 通路の左右は棚になっている。というより、棚が通路を形作っている。
 棚にはほこりをかぶったがらくたのような物が、天井近くまで所狭しと詰め込まれている。

 すぐ先は棚の並びで右に曲がれるようになっている。光はそちらから来ている。
 ということは、曲がった先が裏口か。
 小霧は、曲がる手前で先の様子を見た。
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