この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
永眠を捨てた青少年
第2章 2
鷹之丞の主はあくまで龍玄だったのだ。しかも他の家来と違って実質、企みからは外されていたに等しい。家来の中で最も忠誠心が高いがために、真相を知って相当に苦しんだだろう。結果、迷いながらも小霧を助けることを選んだ男だ。
小霧は鷹之丞に、自分の家来となるよう言い渡した。
鷹之丞はそれに従った。
そして小霧は、一緒に龍玄を捜すよう命じた。もう、主は龍玄ではない。
小霧と鷹之丞は少し協議したのち、騒動になってしまった厄介事から逃げるべく、一旦江戸を離れることにした。
その前に小霧は——
鷹之丞がその事実を突き止めた、『協力者』の一人だったお菊のもとを訪ねた。
茶屋の裏手で小霧に刀の切っ先を突きつけられたお菊は、必死に弁明した。
「本当は……小霧さまを慕っていたんです……誰かに取られるなんていやだった……」
「他人をおとしいれてまで自分の欲を通す女になど関わりたくありません」
「鹿狩の御館さまは、私なら小霧さまと一緒にさせてやるとおっしゃったんです……!」
「女を斬りたくはない……私はいずれ江戸に戻ってきます。あなたは今すぐ江戸を出て二度と私の前に姿を現さないでください。次に会うことがあれば……斬る」
その後、小霧は二度とお菊の姿を見ることはなかった。
他に残り二人の協力者がいたが、同様に江戸から追い出した。
小霧は鷹之丞に、自分の家来となるよう言い渡した。
鷹之丞はそれに従った。
そして小霧は、一緒に龍玄を捜すよう命じた。もう、主は龍玄ではない。
小霧と鷹之丞は少し協議したのち、騒動になってしまった厄介事から逃げるべく、一旦江戸を離れることにした。
その前に小霧は——
鷹之丞がその事実を突き止めた、『協力者』の一人だったお菊のもとを訪ねた。
茶屋の裏手で小霧に刀の切っ先を突きつけられたお菊は、必死に弁明した。
「本当は……小霧さまを慕っていたんです……誰かに取られるなんていやだった……」
「他人をおとしいれてまで自分の欲を通す女になど関わりたくありません」
「鹿狩の御館さまは、私なら小霧さまと一緒にさせてやるとおっしゃったんです……!」
「女を斬りたくはない……私はいずれ江戸に戻ってきます。あなたは今すぐ江戸を出て二度と私の前に姿を現さないでください。次に会うことがあれば……斬る」
その後、小霧は二度とお菊の姿を見ることはなかった。
他に残り二人の協力者がいたが、同様に江戸から追い出した。