この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
永眠を捨てた青少年
第2章 2
しかし、お菊にしろその二人にしろ、誰も龍玄の居所は知らなかった。
なんとかして自力で見つけ出すしかない。
こうして小霧の、龍玄を捜し出す日々が始まった。
ところが、その後いくら小霧と鷹之丞が捜し回っても、情報を求めても、龍玄の行方は杳として知れなかった。
一方その間に、小霧はどんな重傷を負っても難なく治ってしまう体になったことを、もはや間違いのない事実であると受け入れた。
傷を負う際の痛みは変わらないが、簡単な傷なら一瞬、骨を折っても半日もせずに治ってしまう——斬られた手首が戻るくらいなのだから。
それについて、小霧は自分の体を不気味に感じたり、怖れたりする感情はまったくなかった。龍玄を確実に殺すなら、いっそ化け物にでもなった方が好都合だとさえ思った。天が与えてくれた力だとむしろ喜んでいた。
しかし小霧はこのことを、しばらく鷹之丞には内緒にしていた。
やがて数年が経って、鷹之丞はある女と夫婦となった。
鷹之丞本人は所帯を持つなど考えてもいなかったようだが、かなりの晩婚になってしまいましたと苦笑いしていた。
小霧は江戸の端に屋敷を構え、鷹之丞夫婦はそこに同居して家族ぐるみで使用人となった。ほどなく鷹之丞に子もできた。
なんとかして自力で見つけ出すしかない。
こうして小霧の、龍玄を捜し出す日々が始まった。
ところが、その後いくら小霧と鷹之丞が捜し回っても、情報を求めても、龍玄の行方は杳として知れなかった。
一方その間に、小霧はどんな重傷を負っても難なく治ってしまう体になったことを、もはや間違いのない事実であると受け入れた。
傷を負う際の痛みは変わらないが、簡単な傷なら一瞬、骨を折っても半日もせずに治ってしまう——斬られた手首が戻るくらいなのだから。
それについて、小霧は自分の体を不気味に感じたり、怖れたりする感情はまったくなかった。龍玄を確実に殺すなら、いっそ化け物にでもなった方が好都合だとさえ思った。天が与えてくれた力だとむしろ喜んでいた。
しかし小霧はこのことを、しばらく鷹之丞には内緒にしていた。
やがて数年が経って、鷹之丞はある女と夫婦となった。
鷹之丞本人は所帯を持つなど考えてもいなかったようだが、かなりの晩婚になってしまいましたと苦笑いしていた。
小霧は江戸の端に屋敷を構え、鷹之丞夫婦はそこに同居して家族ぐるみで使用人となった。ほどなく鷹之丞に子もできた。