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永眠を捨てた青少年
第2章 2
 小霧は、鷹之丞から誰か妻を娶るようしきりに勧められたが、小霧はまったくその気にはなれなかった。

 そんな中で、やはり龍玄を見つけられないまま時は無情にも流れていった。

 鷹之丞が六十になった日のことだった。彼は小霧に深刻な顔つきで尋ねてきた。
「若さまは……いつまでもお姿が変わらない方だと思っておりましたが……あまりにおかしくはありませんか……?」

 鷹之丞の顔にはいつしかしわも増え、髪もかなり白く染まってきていた。
 一方で、すでに四十手前になろうとしている小霧の姿は——しずが死んだあの日から、あまりにも変わらなさすぎていた。
 鷹之丞はほぼ毎日小霧と顔を合わせているがために、そのことにかえって気づきにくかったようだ。

 これは一体——どういうことだろうか?
 小霧は、鷹之丞にだけ、傷を負ってもすぐに治ってしまうことを打ち明けた。
 鷹之丞はうすうす感じていたようではあるが、小霧は彼の目の前で刀で自分の腕に傷を入れ、すぐに治る様子をじかに見せた。

 さすがに目の当たりにした事実を受け入れざるを得なくなった鷹之丞は、心配そうに言った。
「こんな御伽草子のようなことがまこととは信じがたいですが……若さまは……不老不死になってしまったのではありませんか……?」
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