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永眠を捨てた青少年
第2章 2
 不老不死。
 いやしかし——致命傷を負えばさすがに傷は治せず死んでしまうのではないだろうか。

「もし若さまが不老不死だとすれば……いたたまれません」
「どうしていたたまれないのですか?」
「終わりがない、というのは……地獄そのものですから」

 そんなものだろうか、とその時の小霧は深くは考えなかった。
 それからも小霧の容姿は成長も老化もすることはなかった。

 鷹之丞が病気で伏せって余命いくばくもなくなった時、鷹之丞は小霧の許しのもと、妻と子に小霧の秘密を明かし、彼を一家で支えていくよう命じた。

 やがて鷹之丞が亡くなり、その妻も亡くなった。彼の子が小霧の家来となり、その子もまた家来となり——それが代々続いていった。

 そして龍玄の行方を追い始めてから百年が過ぎたころ——
 小霧は龍玄を捜すことを、やめた。
 おそらく、もう生きてはいないだろうからだ。

 それよりも、その頃の小霧は——死ねないことの恐怖にさいなまれ続けていた。
 鷹之丞も、彼の妻も、その子も、さらにその子も——
 次々と小霧を置いてこの世を去っていく。
 心の苦しさを埋めようと、何度か大事な存在を作ろうと考えた。
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