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永眠を捨てた青少年
第2章 2
 しかし、例外なく誰もが小霧を『この世』に捨てていく。
 苦しさは埋まるどころか広がるだけだった。
 であるならば。
 どうせ先立たれるのなら、大事な存在など初めから作らない方がいい——

 そんな苦悩を続けていたある日、小霧は意を決して自害を試みた。
 拳銃で自ら頭を撃ち抜いたのだ。
 意識を失いつつある中で、やはり致命傷なら死ねたのだ、どうしてもっと早くに試さなかったのか——そう思った。

 ところが丸一日経ったあと——小霧は目が覚めた。
 撃ち抜いたはずの頭もほぼ治っていた。
 あらためて小霧は突きつけられた現実に絶望した。

 ここまでして生きなければならない理由は何なのか——?
 何のために生きているのか——?

 それから、事故に遭って致命傷を負っても、やはり死ねなかった。
 戦争では自ら一兵卒として潜り込んで激戦場へもおもむいたが、部隊が全滅してもひとり生き残った。
 生き残ったというと少し違う。
 死ぬほどの傷を受けても、死ねないだけだった。
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