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永眠を捨てた青少年
第3章 3
 しずの息づかいが、熱く小刻みになる。
 それを見ていた小霧は、少し顔を上げ天井をあおいだ。
 そして、そっと小霧は両手でしずの左右の肩を握り、彼女の体をゆっくり引き離した。

 しずはかすかに瞳にとまどいの色を浮かべる。
「小霧さま……」
 しずはうつむいて言った。

「……小霧さま……やっぱり、しずだと分からない方がよかったですか……? シズクのままもてあそばれた方がよかったですか……?」
「どういう……意味ですか……?」
「……あんな恥ずかしい姿を小霧さまに見られちゃったの……二回目です……」

 小霧は、だまって下を向くしずを見ている。
「怖いんです……小霧さまに嫌われるんじゃないかって……」
「ばかばかしい」
「だって……! こんな痣だらけの身体……もてあそばれ尽くして……汚れちゃった身体だったら……いっそシズクだって思われてたままの方が……」小霧がそれをさえぎって言った。「ありのままでいい」
 しずがとっさに顔を上げた。
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