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永眠を捨てた青少年
第1章 1
男性が問いかける。
「どうして一旦死ぬ気がなくなったんですか?」
「あの、お名前、教えてください」
女性はそう言うと、真剣な眼差しを男性に向けた。
「……敬語なんてやめてください、たぶん僕の方が歳下ですよ」
「三百六十五歳でしたっけ……?」
「二百十七歳」
「私……二十歳です。二百十七歳よりは下ですよね?」
「数字だけ比べれば、おそらく……というか、信じちゃってます?」
「えっと……お名前、教えてください」
男性はしばらく考えるようなそぶりを見せた。
「……僕には名前なんかないんですよ」
女性は目をそらし、何かを言おうとしては止めてを繰り返した。
男性が声を少し明るくして言う。
「じゃあ……そうですね、サトウかスズキあたりでいいんじゃないですか」
「サトウ……? スズキ……?」
「サトウにしましょう。それで手を打ってもらえませんかね?」
「……サトウさん……」
女性は少しあきらめ顔で言った。
「どうして一旦死ぬ気がなくなったんですか?」
「あの、お名前、教えてください」
女性はそう言うと、真剣な眼差しを男性に向けた。
「……敬語なんてやめてください、たぶん僕の方が歳下ですよ」
「三百六十五歳でしたっけ……?」
「二百十七歳」
「私……二十歳です。二百十七歳よりは下ですよね?」
「数字だけ比べれば、おそらく……というか、信じちゃってます?」
「えっと……お名前、教えてください」
男性はしばらく考えるようなそぶりを見せた。
「……僕には名前なんかないんですよ」
女性は目をそらし、何かを言おうとしては止めてを繰り返した。
男性が声を少し明るくして言う。
「じゃあ……そうですね、サトウかスズキあたりでいいんじゃないですか」
「サトウ……? スズキ……?」
「サトウにしましょう。それで手を打ってもらえませんかね?」
「……サトウさん……」
女性は少しあきらめ顔で言った。