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永眠を捨てた青少年
第3章 3
 しずは両手を小霧の腰に回し帯をほどき始めた。鼻腔を通って流れ込んでくる薫りが全身に巡っていくのを感じる。
 しずの身体が、勝手に震える。

 小霧の胸板に耳を当てる。心臓の鼓動に耳の穴の内側をなで回される。鼓動の間隔が、少しずつ速くなっていくのが分かる。
 ——小霧さま……
 ——よろこんでくださっていますか……?
 いや——
 悦んでいるのは自分の方だ——
 今だけは……わがままを許してください——

 しずは、ほどいてしまった小霧の帯をていねいに畳んでテーブルの上に置いた。そして開いた着物の間からあらわれた、すらりとしながらも筋肉だけが覆う身体を見つめた。
 小霧の腰にそっと手を添え、椅子に座らせるようにうながす。小霧の身体はそれに従ってゆっくりと腰かける。

 しずはワンピースの裾をひざに沿って片手で整えながら、小霧の両足の間に正座した。
 そして小霧の肌着をずらし、ゆっくりとその小さな顔を、股の間に現れた力強く固く大きく反り返る雄の棒に近づける。
 一層、強い匂いがしずの鼻を通り抜け、頭の芯にまで響いてくる。
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