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永眠を捨てた青少年
第3章 3
 しずは、酸素が足りなくなったかのように、呼吸を短い間隔で繰り返していることに気づいた。
 うれしくて、苦しい——

 鼻先を——棒の先端に近づけて、しずは何度も小刻みにその薫りを吸い込んだ。
 いつの間にか、しずの鼻の穴は先端にくっついていて、少しずつあふれてくる澄んだ液で濡れている。

 犬の鼻みたい——
 犬でもいいから——
 そばに置いて愛でてほしい——
 また目から涙が勝手に流れ出てくる。
 こんな日が来るなんて——

 しずは舌を伸ばし、肉の棒に両手を添えて、先端のふくらみを、段差を、穴を、ゆっくりと熱い息を吐きながら舐めていった。
 舌を動かすごとに、そのたぎっている棒がひくつく。

 しずの顔には、美味な果実でも味わっているかのような満足そうなほほ笑みと、強い酒を舐めているかのようなうつろな笑みとが、交互に浮かぶ。

 しずは小さな口を精いっぱい開けて、先端のふくらみをゆっくりと含んでいった。
 口の中からも、喉の奥を通り抜けて、小霧の雄の薫りが鼻を突き抜けていく。
 全身にしびれが駆け抜けて、ぶるっ……と震えてしまう。
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