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永眠を捨てた青少年
第3章 3
「……若さま、火急の用件にございます」
 扉の外から雀之丞がそう告げてきた。
 小霧は、椅子から立ち上がって着物の前を合わせ、テーブルの帯を取って締め始めた。

 帯を結び終わると、小霧はしゃがんでしずの頭をゆっくりなでた。
 しずは、うずくまったままで、まだ全身を震わせている。

 小霧は立ち上がり、早足で入り口扉から部屋の外へと出た。
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