この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
永眠を捨てた青少年
第3章 3
 ——だから。
 ——本気になったって意味のないことなんだ。

 しかし、そんなものはただ怖がっているだけなのだ。
 ——しずを前に、怖いなんて言えない。
 ——まして拒むなんてできない。

 むしろ、しずが欲しいのだ。欲しくて欲しくて仕方がないのだ。
 さっきの、一生懸命に小霧の身体をむさぼってくるしずの様子は——
 愛しくて、気が変になりそうだった。
 欲情が、止まらなくなりそうだった。

 けれども、本気になれば——また失う悲しみにさいなまれる。
 それは変えられない。

 あのころの、まだ未熟な十七歳の自分に戻ったようだった。
 怖さと、ためらいにあっさりと翻弄される。
 ——そんなもの、とっくに全部捨ててきたはずなのに。

 車の外は、少しずつ建物や街灯の光が増えてきていた。
 小霧はつぶやくように言った。

「僕には……失いたくない存在なんて、あれ以来一切なかった」
「我々は使用人ですからね」すかさず雀之丞が言う。
「そういうことじゃない」
「分かっておりますよ」
「……あなたたち一族には感謝してもしきれないと思ってます」
「それが務めですから」
/193ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ