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永眠を捨てた青少年
第3章 3
「ただいま」
聞き覚えのある声が響く。
しずの目が、思わず見開いた。
そこには——スリーピーススーツに身を包んだ小霧の姿があった。
禍須賀も驚いた顔つきで小霧の方を見た——のもつかの間、禍須賀が握っている拳銃を、小霧は手にしていた刀の鞘で弾き飛ばした。
しかし、禍須賀も拳銃を失った手でとっさに裏拳を繰り出して、小霧の胸に強く打ちつけた。
小霧は扉の外へと跳ね飛ばされたが、すばやく起き上がり刀を抜く。
禍須賀はしずを抱えたまま、玄関から離れようと左側の壁際の階段の方へと進む。
刀を両手で構えた小霧が、扉から入ってきて禍須賀にゆっくりと近づきながら言った。
「そのひとを返してもらえませんかね」
「返す? もちろん帰すさ、家にね……ウチの娘なんだからさあ」
小霧と禍須賀はしばらくにらみ合っていたが、やがて小霧が一歩前に出た。
しかし、そこで足が止まった。
一階はもちろんロビー全体を見渡せる二階の廊下の中央あたりに、四つの人影が現れた。そして柵の前に立った。
胡珀が男にこめかみに拳銃を突きつけられながら立っている。
聞き覚えのある声が響く。
しずの目が、思わず見開いた。
そこには——スリーピーススーツに身を包んだ小霧の姿があった。
禍須賀も驚いた顔つきで小霧の方を見た——のもつかの間、禍須賀が握っている拳銃を、小霧は手にしていた刀の鞘で弾き飛ばした。
しかし、禍須賀も拳銃を失った手でとっさに裏拳を繰り出して、小霧の胸に強く打ちつけた。
小霧は扉の外へと跳ね飛ばされたが、すばやく起き上がり刀を抜く。
禍須賀はしずを抱えたまま、玄関から離れようと左側の壁際の階段の方へと進む。
刀を両手で構えた小霧が、扉から入ってきて禍須賀にゆっくりと近づきながら言った。
「そのひとを返してもらえませんかね」
「返す? もちろん帰すさ、家にね……ウチの娘なんだからさあ」
小霧と禍須賀はしばらくにらみ合っていたが、やがて小霧が一歩前に出た。
しかし、そこで足が止まった。
一階はもちろんロビー全体を見渡せる二階の廊下の中央あたりに、四つの人影が現れた。そして柵の前に立った。
胡珀が男にこめかみに拳銃を突きつけられながら立っている。