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永眠を捨てた青少年
第3章 3
 残りの二人はその左右に立ち、小霧の方に拳銃を向けていた。
 小霧と禍須賀が顔をそちらに向ける。

 禍須賀が声を張り上げた。
「ご苦労! 祓村!」
 胡珀に拳銃を突きつけている男——祓村は表情ひとつ変えずに答えた。
「そのお言葉は聞くことがあまりに多いので回数は数えておりません」

 小霧が祓村をにらみながら、持っている刀を下ろす。
 胡珀はおびえるようなそぶりも見せず、大声を張り上げた。

「若さまぁ!! 私のことは構わずに!! ……はイヤですけど思い切りやっちゃってくださぁい!!」
「だまれ」
 祓村が拳銃のグリップで胡珀の頬を殴りつけた。
 胡珀が苦痛の声をあげてよろめく。祓村が胡珀の体をつかんで再び直立にさせ、彼女のこめかみに銃口を押しつける。
 それを見ている小霧の顔が、さらに険しくなる。

 禍須賀が小霧の方を向いて言った。
「その刀、よこしてもらおうか、鹿狩小霧くん」

 小霧が驚いた顔で——ゆっくり禍須賀の方に向き直った。
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