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永眠を捨てた青少年
第3章 3
 龍玄から目を離さずに、小霧が声を張り上げる。
「胡珀、すまない! 手当はもう少し我慢してください!」
 雀之丞に抱えられながら立っている胡珀が静かにうなずく。

「義父上。あんたには……剣で勝たなければ意味がない」
 小霧はそう言うと、にやりと笑みを浮かべた。
 その笑みは——
 狂気と歓喜の色をまとっていた。

 小霧の笑みを見た龍玄はほんの一瞬、たじろぐ様子を見せた。
 が、すぐに小馬鹿にするような口調で言った。

「……あの時、小屋の中でも同じこと言ってたなあお前? 試合結果はどうだった? 小霧クンが龍玄クンのアキレス腱ゲット! 龍玄クンは小霧クンの手首をゲット! ……どっちの勝ちだこれ? ん?」
「だからこそですよ……僕はあんたに、どうしても剣で勝たなきゃいけない」
「いま二十一世紀だよ? チャンバラなんてどんだけ時代錯誤なんだよお前」
「侍として生まれた者のプライドです……それとも、剣豪と言われた義父上ほどの侍が刀の勝負を挑まれて逃げるんですか? 落ちぶれましたね……ああ、そのみっともないくらいのデブの体では剣の腕で僕の足元にも及ばないからですか?」
「なんだと……?」
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