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永眠を捨てた青少年
第3章 3
「しずどの……失礼、お眠りになっていましたか?」
「大丈夫、です……あの……どうして白衣なんですか?」
「今は医師としてこの部屋にやってきましたので。医師が白衣を着用するのは当然のことかと」
そう言うと雀之丞は小霧のそばまでやってきて、床にひざ立ちになって小霧のかけ布団をゆっくりとまくっていった。
「雀之丞さんって……本当はお医者さんなんですか?」
「医師免許と弁護士資格を持っているだけの執事でございます。若さまをお支えするのに何かと便利ですので」
雀之丞は、小霧が着ている浴衣の前合わせをはだけさせて胸の傷を見ている。
その顔に、一瞬だけ怪訝そうな色が見えた。しかしそれはすぐに消えた。
「……しずどの」
「なんでしょう……?」
「何か変わったことは起きませんでしたか?」
「変わった、こと……?」
雀之丞は小霧のかけ布団を元に戻すと、立ち上がってしずに向き直った。
「いえ……特には何もなかったと……思います」
「何かあれば、お知らせください……あとお食事はご用意しております。こういうときの若さまはいつ目覚めるか分かりませんので、空腹でしたら先にお一人でどうぞ」
そう言い残して、雀之丞は部屋を出ていった。
「大丈夫、です……あの……どうして白衣なんですか?」
「今は医師としてこの部屋にやってきましたので。医師が白衣を着用するのは当然のことかと」
そう言うと雀之丞は小霧のそばまでやってきて、床にひざ立ちになって小霧のかけ布団をゆっくりとまくっていった。
「雀之丞さんって……本当はお医者さんなんですか?」
「医師免許と弁護士資格を持っているだけの執事でございます。若さまをお支えするのに何かと便利ですので」
雀之丞は、小霧が着ている浴衣の前合わせをはだけさせて胸の傷を見ている。
その顔に、一瞬だけ怪訝そうな色が見えた。しかしそれはすぐに消えた。
「……しずどの」
「なんでしょう……?」
「何か変わったことは起きませんでしたか?」
「変わった、こと……?」
雀之丞は小霧のかけ布団を元に戻すと、立ち上がってしずに向き直った。
「いえ……特には何もなかったと……思います」
「何かあれば、お知らせください……あとお食事はご用意しております。こういうときの若さまはいつ目覚めるか分かりませんので、空腹でしたら先にお一人でどうぞ」
そう言い残して、雀之丞は部屋を出ていった。