この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
永眠を捨てた青少年
第3章 3
いつの間にか、ベッドの周囲は四方すべてがどこまでも続く真っ白な平面と、澄んだ青い空に覆われていた。
地平線ははっきりとせず、遠くの方は青と白がうっすら重なり合っている。
「小霧さま……ここ……どこでしょう……?」
ベッド以外には、屋敷の壁どころか物も人の姿も、一切何も、ない。
ひたすら青く、白く、美しい。
小霧としずは、抱き合ったまま上半身を起こした。
視界の届く限り、どこまでもどこまでも、白と青の光景だけがひたすら広がっている。
二人は、お互いの姿を見合った。
小霧もしずも一糸まとわぬまま——あの頃の姿に戻っている。
お互い熱い想いを胸に、茶屋で楽しい時を過ごした、あの頃の姿に。
小霧は老いる前の——しずは傷痕ひとつない澄んだ白い肌の——江戸で過ごしていた頃の元の体に。
しばらくの間、小霧としずは両手の手のひらを合わせてつないで、じっとお互いを見つめ合っていた。
「私の体の方が歳下に戻っちゃいましたね、小霧さまっ」
しずがほほ笑んで小霧に抱きついた。
地平線ははっきりとせず、遠くの方は青と白がうっすら重なり合っている。
「小霧さま……ここ……どこでしょう……?」
ベッド以外には、屋敷の壁どころか物も人の姿も、一切何も、ない。
ひたすら青く、白く、美しい。
小霧としずは、抱き合ったまま上半身を起こした。
視界の届く限り、どこまでもどこまでも、白と青の光景だけがひたすら広がっている。
二人は、お互いの姿を見合った。
小霧もしずも一糸まとわぬまま——あの頃の姿に戻っている。
お互い熱い想いを胸に、茶屋で楽しい時を過ごした、あの頃の姿に。
小霧は老いる前の——しずは傷痕ひとつない澄んだ白い肌の——江戸で過ごしていた頃の元の体に。
しばらくの間、小霧としずは両手の手のひらを合わせてつないで、じっとお互いを見つめ合っていた。
「私の体の方が歳下に戻っちゃいましたね、小霧さまっ」
しずがほほ笑んで小霧に抱きついた。