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永眠を捨てた青少年
第1章 1
※ ※ ※
シズクはうっすらと目を開けた。
いや、目を開けているという錯覚かもしれない。
だが身体の痛みと、コンクリートのひんやりした温度を自覚している。やはり眠りから覚めたらしい。
薄暗いコンクリート造りの部屋の中で、シズクはひとり全裸で寝転がったまま放り出されていた。
少し顔を動かしてみる。ソファには禍須賀も座っていない。
コンクリートに面している肌に、広い範囲で何かの冷たい液体のようなものに触れている感覚がある。おそらく——シズク自身が身体から垂れ流したものだろう。
あれからどれくらいの時間が経ったのだろうか?
今は夜だろうか? 朝だろうか? 窓も時計もないので確かめるすべはない。
空腹はさほど感じないが、喉がやたらと乾いている。
水が飲みたい——
禍須賀の精液を飲んでから、何も口にしていない。
腕を動かしてみる。
やはり腕は後ろ手に、両足は足首で拘束されている。動かせない。
禍須賀が戻ってくるまで待つしかない。