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永眠を捨てた青少年
第1章 1
サトウはペットボトルを少しだけ傾けた。
シズクの唇から新鮮な水が入ってくる。それをゆっくりと飲んでいく。
「僕が殺されてからずっとここに?」
殺されてから、という言い回しを殺された本人がしているのは奇妙でしかなかったが、シズクはかすかにうなずいた。
「であれば……丸二日近く、ですね」
水のおかげで、シズクの意識は少しだけ輪郭を取り戻した。
それでも、思うように言葉が出ない。声を出そうとするだけで重労働だ。
「……どう……して……ここ……へ……?」
サトウはバスローブで極力シズクの体を隠すように覆いながら、後ろ手の手枷の鍵を外している。鍵を使ってではない。ピッキングしているようだ。サトウは手を動かしながら言った。
「僕は負けず嫌いでしてね、死んでも生き返るくらいの」
シズクはぼんやりとサトウの頭に目を向けた。
間違いなくシズクの目の前で頭を撃ち抜かれたはずなのに、その痕跡が一切ない。
今日は黒のTシャツに黒のクロップドパンツを身に着けていて、高校生くらいの見た目の歳相応といった雰囲気だ。
サトウは手枷を外すと、足枷の鍵も外しにかかった。
シズクの唇から新鮮な水が入ってくる。それをゆっくりと飲んでいく。
「僕が殺されてからずっとここに?」
殺されてから、という言い回しを殺された本人がしているのは奇妙でしかなかったが、シズクはかすかにうなずいた。
「であれば……丸二日近く、ですね」
水のおかげで、シズクの意識は少しだけ輪郭を取り戻した。
それでも、思うように言葉が出ない。声を出そうとするだけで重労働だ。
「……どう……して……ここ……へ……?」
サトウはバスローブで極力シズクの体を隠すように覆いながら、後ろ手の手枷の鍵を外している。鍵を使ってではない。ピッキングしているようだ。サトウは手を動かしながら言った。
「僕は負けず嫌いでしてね、死んでも生き返るくらいの」
シズクはぼんやりとサトウの頭に目を向けた。
間違いなくシズクの目の前で頭を撃ち抜かれたはずなのに、その痕跡が一切ない。
今日は黒のTシャツに黒のクロップドパンツを身に着けていて、高校生くらいの見た目の歳相応といった雰囲気だ。
サトウは手枷を外すと、足枷の鍵も外しにかかった。