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永眠を捨てた青少年
第1章 1
「今は無理にしゃべらなくていいです。必要最小限だけ答えてください……僕が油断していたからとはいえ、ものすごくシャクなんです、撃たれたことは……というか殴る程度ならまだしも、いきなり殺しますか普通? いつもなら一度に二十本食べる大好きなみたらし団子も十五本しか食べられないほどです……このままじゃ気が済まないから仕返しがしたい」
足枷の鍵も、サトウの手によって解除された。
サトウがシズクの上半身を抱え上げ、正面から顔を見据えてきた。
「そこで彼ら、いや……しょせんはシズクさんのお父上の手下ですよね、とにかくここの連中はあなたを一番大事にしているようですので……」
サトウはそこで一旦言葉を切って、シズクの目を射抜くように見た。
「シズクさん、僕に誘拐されてください」
「……え……?」
「オッケーなら連れ出します。お断りされるなら、手枷足枷を戻して帰ります。お父上はあと一時間くらいで戻ってくるそうですよ……どうしますか? できればイエスと答えてくれた方が楽しめる」
サトウの言うことが突飛すぎて、まだ明瞭でないシズクの頭は混乱したが、迷いは一切なかった。
シズクはサトウの目を見ながら、ゆっくり首を縦に振った。
足枷の鍵も、サトウの手によって解除された。
サトウがシズクの上半身を抱え上げ、正面から顔を見据えてきた。
「そこで彼ら、いや……しょせんはシズクさんのお父上の手下ですよね、とにかくここの連中はあなたを一番大事にしているようですので……」
サトウはそこで一旦言葉を切って、シズクの目を射抜くように見た。
「シズクさん、僕に誘拐されてください」
「……え……?」
「オッケーなら連れ出します。お断りされるなら、手枷足枷を戻して帰ります。お父上はあと一時間くらいで戻ってくるそうですよ……どうしますか? できればイエスと答えてくれた方が楽しめる」
サトウの言うことが突飛すぎて、まだ明瞭でないシズクの頭は混乱したが、迷いは一切なかった。
シズクはサトウの目を見ながら、ゆっくり首を縦に振った。