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永眠を捨てた青少年
第1章 1
「……少しここで待っていてください」
サトウはそう言いながら、シズクを下ろし壁を背もたれにして廊下の床に座らせた。
扉は内側、つまり階段側に開くようになっている。
サトウは扉から少し離れて、片手を伸ばしてドアノブに手をかけ、ゆっくりと、少しだけ引いて開いた。
扉の向こうの部屋を照らす灯りが差し込んでくる。日光ではない。今は夜であるらしい。
銃声が一発。
ちょうどサトウの顔の高さあたり、出口ぎりぎりの壁のコンクリートが銃弾で砕かれた。
「いました、会長の部屋です」
扉の向こうから声がする。大声ではない。インカムか何かで話しているようだ。
サトウは少し扉に近寄り、耳をすませている。
「一……、二……。二人ね……すぐ戻ります」
サトウはそう言うと右腕を左腰に持ってきた。シズクは彼の左腰に黒い木刀がぶら下がっていることに今気づいた。花火のときに持っていたのと同じ物のようだ。
サトウは柄の部分を握ると、すばやく流れるような動きでそれを抜いた——
白く光る刃が現れた。
木刀などではなかった——本物の日本刀だ。
サトウはそう言いながら、シズクを下ろし壁を背もたれにして廊下の床に座らせた。
扉は内側、つまり階段側に開くようになっている。
サトウは扉から少し離れて、片手を伸ばしてドアノブに手をかけ、ゆっくりと、少しだけ引いて開いた。
扉の向こうの部屋を照らす灯りが差し込んでくる。日光ではない。今は夜であるらしい。
銃声が一発。
ちょうどサトウの顔の高さあたり、出口ぎりぎりの壁のコンクリートが銃弾で砕かれた。
「いました、会長の部屋です」
扉の向こうから声がする。大声ではない。インカムか何かで話しているようだ。
サトウは少し扉に近寄り、耳をすませている。
「一……、二……。二人ね……すぐ戻ります」
サトウはそう言うと右腕を左腰に持ってきた。シズクは彼の左腰に黒い木刀がぶら下がっていることに今気づいた。花火のときに持っていたのと同じ物のようだ。
サトウは柄の部分を握ると、すばやく流れるような動きでそれを抜いた——
白く光る刃が現れた。
木刀などではなかった——本物の日本刀だ。