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永眠を捨てた青少年
第1章 1
サトウの背中がバルコニーに続く窓に当たる。
サトウは刀を腰の鞘に収め、その手でポケットから取り出したスマホを操作する。
シズクが首を動かすと、サトウの撃たれた肩が見えた。
銃弾を受けたはずの傷口は、もうほとんど治っている。
突然、轟音が近づいてきた。
止まることなくその音が響き続けている。
様子を見ようとしたのだろう、廊下の向こうに黒スーツたちの姿が現れた。
サトウは手を後ろに回して窓を開け放つと、シズクを抱き上げバルコニーに向けていきなり全力で走り出した。
そしてそのままバルコニーの手すりに片足をかけ——
高く飛び上がった。
シズクは両腕で必死にサトウの体にしがみつく——と同時に、体全体がガクン、と上方向に引っ張られるのを感じた。
サトウは片手でシズクを抱えたまま、もう一方の手で縄ばしごをつかんでいた。
その縄ばしごがどこから降ろされているのか、上を見る——ヘリコプターだった。
シズクは空中から、自宅の屋敷があっという間に視界の彼方に遠ざかっていくのを見ていた。
サトウは刀を腰の鞘に収め、その手でポケットから取り出したスマホを操作する。
シズクが首を動かすと、サトウの撃たれた肩が見えた。
銃弾を受けたはずの傷口は、もうほとんど治っている。
突然、轟音が近づいてきた。
止まることなくその音が響き続けている。
様子を見ようとしたのだろう、廊下の向こうに黒スーツたちの姿が現れた。
サトウは手を後ろに回して窓を開け放つと、シズクを抱き上げバルコニーに向けていきなり全力で走り出した。
そしてそのままバルコニーの手すりに片足をかけ——
高く飛び上がった。
シズクは両腕で必死にサトウの体にしがみつく——と同時に、体全体がガクン、と上方向に引っ張られるのを感じた。
サトウは片手でシズクを抱えたまま、もう一方の手で縄ばしごをつかんでいた。
その縄ばしごがどこから降ろされているのか、上を見る——ヘリコプターだった。
シズクは空中から、自宅の屋敷があっという間に視界の彼方に遠ざかっていくのを見ていた。