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永眠を捨てた青少年
第1章 1
「もう二度と自殺はしようと思いません」
シズクは静かに言った。
「僕に遊ばれても?」
「どうしてそんな憎まれ口きいちゃうんですか?」
「憎まれ口、ね……」
サトウは一旦食べるのを止めると、椅子の背もたれに背中をあずけた。
そして少し間を置いてからまた口を開いた。
「……僕が『死ねない』ということ、信じられますか?」
「傷がすぐ治ってましたから」
シズクは彼が肩を銃で撃たれても、弾丸を押し出したり、短い時間で傷がふさがっていた様子を思い出していた。
サトウはおもむろに食べ終わった団子の串を一本右手に持つと、左の手のひらを大きく開いてテーブルの上に置いた。そして左の手の甲を真上から串で勢いよく突き刺した。
思わずシズクが小さく叫ぶ。
「ぐっ……」サトウのうめき声が漏れる。
サトウが串を抜くと、彼の手の甲からは鮮血があふれ出した。
シズクはあわてて立ち上がろうとしたが、サトウが右手の手のひらを差し出した。
何もしなくていい、ということだろう。
シズクは静かに言った。
「僕に遊ばれても?」
「どうしてそんな憎まれ口きいちゃうんですか?」
「憎まれ口、ね……」
サトウは一旦食べるのを止めると、椅子の背もたれに背中をあずけた。
そして少し間を置いてからまた口を開いた。
「……僕が『死ねない』ということ、信じられますか?」
「傷がすぐ治ってましたから」
シズクは彼が肩を銃で撃たれても、弾丸を押し出したり、短い時間で傷がふさがっていた様子を思い出していた。
サトウはおもむろに食べ終わった団子の串を一本右手に持つと、左の手のひらを大きく開いてテーブルの上に置いた。そして左の手の甲を真上から串で勢いよく突き刺した。
思わずシズクが小さく叫ぶ。
「ぐっ……」サトウのうめき声が漏れる。
サトウが串を抜くと、彼の手の甲からは鮮血があふれ出した。
シズクはあわてて立ち上がろうとしたが、サトウが右手の手のひらを差し出した。
何もしなくていい、ということだろう。