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永眠を捨てた青少年
第1章 1
シズクは椅子に座り直した。
サトウの左の甲から流れ出ていた血は、またたく間に止まった。
サトウが着流しの袖からハンカチを取り出して血を拭うと、串で開けられた穴が徐々にふさがり、気がつけば元のきれいな肌に戻っていた。
サトウはテーブルに流れた血を拭きながら言った。
「すぐに治りはしますけどね、受ける痛みは普通の人と変わりません……さすがに花火の夜、頭を撃ち抜かれた時は痛さで気を失いましたよ。見てたでしょう? 丸一日動けませんでした、それでもね……」
サトウはじっとシズクの目を見た。
「死ねないんです」
シズクはサトウから目を離さずに聞いた。
「……どうして……こうなったんですか……?」
「分かりませんが……呪い、かな……」
「……何の?」
「さあてね。人の道でも踏み外したのかもしれませんね」
サトウは自分自身を茶化すような口調で言うと、そのまま続けた。
「それ以来ずっとこの姿から変わらないままで……だから二百十七歳もウソじゃないんです。でもね、二百年も生きてると暇で暇で仕方がないんですよ」
サトウの左の甲から流れ出ていた血は、またたく間に止まった。
サトウが着流しの袖からハンカチを取り出して血を拭うと、串で開けられた穴が徐々にふさがり、気がつけば元のきれいな肌に戻っていた。
サトウはテーブルに流れた血を拭きながら言った。
「すぐに治りはしますけどね、受ける痛みは普通の人と変わりません……さすがに花火の夜、頭を撃ち抜かれた時は痛さで気を失いましたよ。見てたでしょう? 丸一日動けませんでした、それでもね……」
サトウはじっとシズクの目を見た。
「死ねないんです」
シズクはサトウから目を離さずに聞いた。
「……どうして……こうなったんですか……?」
「分かりませんが……呪い、かな……」
「……何の?」
「さあてね。人の道でも踏み外したのかもしれませんね」
サトウは自分自身を茶化すような口調で言うと、そのまま続けた。
「それ以来ずっとこの姿から変わらないままで……だから二百十七歳もウソじゃないんです。でもね、二百年も生きてると暇で暇で仕方がないんですよ」