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永眠を捨てた青少年
第1章 1
「仮にです、失いたくない存在を作っても……相手が確実に先に死ぬことは決まっているんですよ。いずれまた僕はひとりに戻る……失うのを分かっていて、どうして本気になれますか?」
シズクは言葉に詰まってしまい、うつむいた。
サトウもそのままだまっている。
やがて、シズクは顔を上げて、意を決したように言った。
「……それでも、その……一緒に居られる間だけでも本気になって欲しいです」
「……本心で言ってます?」
「もちろんです」シズクは間髪入れずに言った。
「えっと……僕は誘拐犯ですよ? あなたは被害者」
「呼び方はどうでもいいです。本気になって欲しいと思っているのは本心です」
サトウはゆっくり首をかしげて、大きくため息をついた。
「……嫌われるよりはいいですけどね、僕はあなたに好かれるようなこと何もしてませんよ? 目の前で人を斬り殺してさえいる」
「初めて見たわけではないので」
「人が斬り殺されるのをですか? いつどこで? ……まあでもあなたの場合、自宅の中でもそんな場面に出くわしそうですけど」
「見たのは一回目の人生のときです」
シズクは言葉に詰まってしまい、うつむいた。
サトウもそのままだまっている。
やがて、シズクは顔を上げて、意を決したように言った。
「……それでも、その……一緒に居られる間だけでも本気になって欲しいです」
「……本心で言ってます?」
「もちろんです」シズクは間髪入れずに言った。
「えっと……僕は誘拐犯ですよ? あなたは被害者」
「呼び方はどうでもいいです。本気になって欲しいと思っているのは本心です」
サトウはゆっくり首をかしげて、大きくため息をついた。
「……嫌われるよりはいいですけどね、僕はあなたに好かれるようなこと何もしてませんよ? 目の前で人を斬り殺してさえいる」
「初めて見たわけではないので」
「人が斬り殺されるのをですか? いつどこで? ……まあでもあなたの場合、自宅の中でもそんな場面に出くわしそうですけど」
「見たのは一回目の人生のときです」