この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
永眠を捨てた青少年
第2章 2
だまって座っているだけの、静かな時がゆっくり流れていく。
どれくらい経っただろう、小霧はちらと横目でしずを見た。
ひざの上に乗せた皿を持っている両手が小さく、白く、愛らしい。
そっと手を伸ばして触れてみたい。握ってみたい。
しかしそんなことをすれば、しずはびっくりしてしまって、団子ごと皿を地面に落としてしまうかもしれない。一度も彼女の肌に触れたことなどないから、なおさらだ。
けれどもそれは、しずに触れる勇気を出せない自分に対する言い訳かもしれない。
しずの方から触れてはくれないだろうか。
いや、男がそんな情けないことを考えていてどうする——
空を見上げてほほ笑んでいるしずの横顔が小霧の目に入る。
——今は。
——この愛しい顔が見られるだけで十分だ。
——まずは、こんな不自由な形でしか逢えない状況を変えないと……
難しいことは、分かっている。
しらずしらずのうちに、小霧はじっとしずの横顔を見つめていた。
「あの……私の顔、変……ですか?」
いつの間にか、しずが小霧を恥ずかしげに見ている。その頬はほんのり赤い。
どれくらい経っただろう、小霧はちらと横目でしずを見た。
ひざの上に乗せた皿を持っている両手が小さく、白く、愛らしい。
そっと手を伸ばして触れてみたい。握ってみたい。
しかしそんなことをすれば、しずはびっくりしてしまって、団子ごと皿を地面に落としてしまうかもしれない。一度も彼女の肌に触れたことなどないから、なおさらだ。
けれどもそれは、しずに触れる勇気を出せない自分に対する言い訳かもしれない。
しずの方から触れてはくれないだろうか。
いや、男がそんな情けないことを考えていてどうする——
空を見上げてほほ笑んでいるしずの横顔が小霧の目に入る。
——今は。
——この愛しい顔が見られるだけで十分だ。
——まずは、こんな不自由な形でしか逢えない状況を変えないと……
難しいことは、分かっている。
しらずしらずのうちに、小霧はじっとしずの横顔を見つめていた。
「あの……私の顔、変……ですか?」
いつの間にか、しずが小霧を恥ずかしげに見ている。その頬はほんのり赤い。