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第1章 １

　突然、スキンヘッドの男がすばやく前に一歩踏み込み、浴衣の男の顔面に向けて拳を放った。
　次の瞬間——
　スキンヘッドの男は頭頂部から血を流し、地面に仰向けに倒れていた。

　どこに持っていたのか、浴衣の男は一瞬のうちに真っ黒な木刀を両手で構えて立っていた。
「……クソガキの分際で何を言ってるんですか」
　浴衣の男はそう言い放つと、優しげな表情も穏やかな目も変えないままで木刀を振り下ろし始めた。
「目上に対する態度がまるでなってないですね」

　花火の轟音が鳴り響く中、木刀は倒れているスキンヘッドの男の顔や頭を何度も容赦なく打ちつけていく。男の鼻や口からは血が吹き出し、顔面はみるみる腫れ上がっていく。

「……やられキャラの役割お疲れさまです、もうすぐ終わりですよ」
　残り二人の金髪男と短髪男は、その光景に身動きひとつできず、唖然と立ち尽くしている。

　女性は椅子の上に立って縄の輪に首を通した姿のまま、両手で口を覆って目を見開き、その様子をしっかりと見つめていた。