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永眠を捨てた青少年
第2章 2
 小霧は歯を食いしばって刀を受け続けた。
 しずのことが——手加減なく真剣で斬りつけてくるほどの怒りを招くものなのか?

「聞き分けろ、小霧」
 その龍玄の言葉が発せられたと同時に——
 小霧は左の二の腕に鋭い激痛を感じ取った。
 気がつけば、小霧は地面に転がっていた。

 ——何が——
 ——起こった——?
 速すぎて分からなかった。

 龍玄は刀を鞘に収めると、庭から縁側へと上がり、座敷を抜けてその場を去っていった。
 小霧は右手で左の二の腕を押さえた。
 その押さえた右の手のひらが——赤く染まっている。

「小霧さま!」
 背後から鷹之丞の声がした。
 鷹之丞が草履も履かずに庭に飛び降り駆け寄ってくる。
「傷が深い……誰か! 誰か中庭へ!」
 鷹之丞は大声を上げると、取り出した手ぬぐいですばやく小霧の二の腕を縛っていく。
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