この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
永眠を捨てた青少年
第2章 2
小霧の全身から、感覚というものが抜け落ちる。
抜け落ちたのは——
感覚だけだろうか——?
なにか、いきなり張り詰めていた糸が切れたような、心に無理やり穴をこじ開けられたかのような——
心の中で踏み外すことのない何かを、踏み外してしまったような——
小霧は痛みも、風も、何も感じなかった。
※ ※ ※
それからひと月ほどが経った。
夜明け前は少し冷える時期になってきた。
小霧は、もっと自分の中でためらいや揺らぎ、そして恐怖が生じるものと思っていた。
もっと苦悩にさいなまれるものだと覚悟していた。
しかし、このひと月の間、小霧は自身で意外に思うほど落ち着いていた。
そして何より——
龍玄に真剣を向けられたあの時から、小霧は自分が確実に変わってしまったことを自覚していた。
当然ながら、多少の迷いはあった。しかしそれも小霧の決意を変えるにはほど遠いものだった。
抜け落ちたのは——
感覚だけだろうか——?
なにか、いきなり張り詰めていた糸が切れたような、心に無理やり穴をこじ開けられたかのような——
心の中で踏み外すことのない何かを、踏み外してしまったような——
小霧は痛みも、風も、何も感じなかった。
※ ※ ※
それからひと月ほどが経った。
夜明け前は少し冷える時期になってきた。
小霧は、もっと自分の中でためらいや揺らぎ、そして恐怖が生じるものと思っていた。
もっと苦悩にさいなまれるものだと覚悟していた。
しかし、このひと月の間、小霧は自身で意外に思うほど落ち着いていた。
そして何より——
龍玄に真剣を向けられたあの時から、小霧は自分が確実に変わってしまったことを自覚していた。
当然ながら、多少の迷いはあった。しかしそれも小霧の決意を変えるにはほど遠いものだった。