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永眠を捨てた青少年
第2章 2
——小霧さま……?
しずは思わず表情をゆるませ、ゆっくりと近づいていく。
が、すぐにしずは——
きびすを返して来た道を走って戻り出した。
——ちがう……!
——小霧さまじゃない……!
突然、しずの小柄な体は何かにぶつかって跳ね飛ばされ、そのまま地面に尻もちをついた。
目の前に、もうひとり別の大柄の男が仁王立ちでしずを見下ろしている。
——誰……!?
やがて後ろから、先ほど行く手に立っていた人影が近づいてきた。
「……どこに行こうとしてんだ?」
しずは顔だけを後ろに向けた。
後ろには小霧と似たような背格好の男が立っていた。
ふたりとも薄汚れた小袖を尻からげにして足を出し、股引をはいている。髪もぼさぼさで顔も浅黒い。
大柄の男の方は顔の長い馬面で、後ろの男は口髭をもっさりと生やしている。
しずは怖さのあまり、座り込んだまま立てなかった。
しずは思わず表情をゆるませ、ゆっくりと近づいていく。
が、すぐにしずは——
きびすを返して来た道を走って戻り出した。
——ちがう……!
——小霧さまじゃない……!
突然、しずの小柄な体は何かにぶつかって跳ね飛ばされ、そのまま地面に尻もちをついた。
目の前に、もうひとり別の大柄の男が仁王立ちでしずを見下ろしている。
——誰……!?
やがて後ろから、先ほど行く手に立っていた人影が近づいてきた。
「……どこに行こうとしてんだ?」
しずは顔だけを後ろに向けた。
後ろには小霧と似たような背格好の男が立っていた。
ふたりとも薄汚れた小袖を尻からげにして足を出し、股引をはいている。髪もぼさぼさで顔も浅黒い。
大柄の男の方は顔の長い馬面で、後ろの男は口髭をもっさりと生やしている。
しずは怖さのあまり、座り込んだまま立てなかった。