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永眠を捨てた青少年
第2章 2
 すでに、もう二人——厳高(げんこう)と阿賀都(あがと)が背後をふさいでいる。
 四人とも一様に険しい顔をしている。

 ——なぜ……
 ——家来たちが全員でここにいる……?
 駆け落ちはすでに義父の知るところとなっていたのだろうか?
 だとしたら、何とかしてこの場を逃れる方が得策だろうか?
 いや——いくら小霧とて、脇差一本でこの四人に勝てるわけがない。

 小霧は前にいる鱒壱と目が合った。
 どこに行こうとしていたのか——
 何をしようとしていたのか——
 今からおそらくそれを聞かれるはずだ。

 鱒壱が口を開いた。
「……小霧さま。屋敷の座敷牢に入っていただきます。おとなしくついてきてください」
 聞くまでもない——ということか。
 周到に準備をしたと思い上がっていたのかもしれない。

 小霧は静かに強く歯を噛みしめた。
 拳を握る手に力が入る。
 全身が小刻みに震える。
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