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永眠を捨てた青少年
第2章 2
 しずは——どうなったのだろうか——?
 小霧がだまっていると、四人が一斉に鯉口を切って刀を抜いた。
 ——そうか。
 ——もう、そういう扱いなのか。

 小霧は静かに言った。
「……しずだけは許してやってください。私が強引にそそのかしたのです」
 鱒壱が刀を構えたままで言った。
「……誰のことか分かりかねますが……我々は御館さまの命に従っているだけです」

 小霧は、懐から脇差を取り出し、前方に差し出した。
 鱒壱の横にいる鷹之丞がそれを受け取る。
 四人はみな刀を鞘に収め、小霧は彼らに囲まれながら歩き出した。

 ひとり、脇差を受け取った鷹之丞だけがじっと立っている。
「鷹之丞どの」小霧の後ろについている厳高が静かに言った。

 鷹之丞の表情はどこか憂いを帯びていた。そして厳高のそばに駆け寄った。
 鷹之丞は厳高の袖をつかんで彼の足を止めさせ、小声で言った。
「厳高……某は座敷牢とは聞いていないが」
 厳高は表情を変えず、淡々と小声で返した。
「……皆、承知のことと思っておりましたが」
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