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永眠を捨てた青少年
第2章 2
「あっしは……! 止めたんです、釘刺したんですよ! 絶対やるなって! な、俺はお前にそう言ったろ? お前が勝手なことしたんだから申し開きしろよ!」
馬面はただ目を泳がせながら立っている。
「二人とも、外で少し滝でも眺めようではないか」
龍玄の有無を言わせないその声に、髭面も馬面も小屋の外へと出た。
小屋の外は小さな広場のようになっていて、羽織袴の侍が二人待機していた。龍玄の家来だ。
すぐ横は水が流れ落ちる滝の崖になっていて、その轟音が響き渡っている。
髭面は、立っている侍二人と龍玄を前にして、いきなり地面に土下座した。
「ほんとに……! 申し訳ございやせん! ……おい! お前もやるんだよ!」
髭面が叫ぶと、馬面もそそくさとその横に土下座した。
龍玄は二人を見下ろしながら聞いた。
「お前たち、利き腕はどっちだ?」
「え……?」髭面が少しだけ顔を上げる。
龍玄はだまって見下ろしてくる。
「あっしは、右です」髭面が答える。
「同じく……右です」馬面も答える。
馬面はただ目を泳がせながら立っている。
「二人とも、外で少し滝でも眺めようではないか」
龍玄の有無を言わせないその声に、髭面も馬面も小屋の外へと出た。
小屋の外は小さな広場のようになっていて、羽織袴の侍が二人待機していた。龍玄の家来だ。
すぐ横は水が流れ落ちる滝の崖になっていて、その轟音が響き渡っている。
髭面は、立っている侍二人と龍玄を前にして、いきなり地面に土下座した。
「ほんとに……! 申し訳ございやせん! ……おい! お前もやるんだよ!」
髭面が叫ぶと、馬面もそそくさとその横に土下座した。
龍玄は二人を見下ろしながら聞いた。
「お前たち、利き腕はどっちだ?」
「え……?」髭面が少しだけ顔を上げる。
龍玄はだまって見下ろしてくる。
「あっしは、右です」髭面が答える。
「同じく……右です」馬面も答える。