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健康診断1泊2日コース~検体はこちらで採取いたします~
第2章 1日目
「やっと検尿できる。よかった。やっと辛いことから解放されますよ。」

「(早く・・・。もう限界・・・。恥ずかしい・・・。おしっこしたい・・・。早く・・・。)」

尿意はとうに限界を超えていた。
全身に脂汗が滲む。
一柳がもどってきてからもう30分は経っている。
その間も点滴は落ちていただろう。

「消毒しますよ。」

小陰唇を広げられ、尿道口に温かい感触があった。
その時、膀胱直上に置いていた一柳の手に体重がかかった。
小陰唇を広げる指を安定させるために置いていたがバランスを崩したらしい。
その瞬間、堰を切ったように尿が溢れ出てきた。

「うぅぅっ・・・。」

歯止めが利かなくなり、たくさん出る。
京華はすすり泣いた。
ずっと我慢していたのに。
もう少しだったのに。
温かかったのと膀胱を圧迫されたので我慢できなくなってしまった。
ガウンが温かい尿に染み、尿臭が部屋中に広がる。
すぐに冷えたガウンとこの独特な臭いは、初めて京華に劣等感を感じさせた。

「あぁ。我慢できなかったですか。」

涙を拭きたいのに拭けない。
人前で放尿してしまった恥ずかしさと劣等感に耐え切れず、京華はひっくひっくと泣いた。

「京華さん、泣いているんですね。僕がバランス崩してしまったのがいけなかったですね。すみません。それまで京華さんはちゃんと我慢してましたもんね。偉いですよ。点滴からは700ccほど入っていました。通常、人は200ccほどで尿意を感じ、最大でも600ccほどしか膀胱には溜めれません。ここに来てからトイレ行ってませんでしたもんね。辛かったでしょう?よく頑張りましたよ。偉いですよ。」

今までになく優しい声。
頭を撫でながらゆっくり慰めてくれる低い声。
辛かった。
早く解放されたかった。
ここまで頑張ったのに。
ますます泣き声が大きくなる。

「そうでしょうそうでしょう。京華さんは頑張りました。もっと泣きなさい。感情にブレーキをかけてはいけません。泣きたいだけ泣きなさい。」

「うあーーーん!」
声を出して泣いた。
感情の赴くままに泣いた。
こんなに声を出したのはいつぶりだろう。
とくかく泣いて泣いて泣いた。
一柳はずっと手を握ってくれていた。
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