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健康診断1泊2日コース~検体はこちらで採取いたします~
第2章 1日目
田舎のような緑の生い茂る山のふもとに、真っ白な施設はあった。
「全日本メディカルサイエンス研究所」
有名大学ほどの広さはあるだろうと思わせるような広大な施設。
駐車場と建物が2つ。大きい棟と小さい棟が見えるが、他は何もない。
どちらも2階建てで、窓はあるのだが、何も見えない。

「ちょっと怖い・・・」

そう思って立ちすくんでいると、小さい棟のほうから女性がやってきた。

「おはようございます。健診センターに御用でしょうか?」

スーツを完全に着こなした華奢な女性が尋ねた。

「はい。あの、不感症の・・・」

「こちらへどうぞ」と言いながら女性は小さい棟のほうへ誘導してくれる。
どうやらこれが健診センターらしい。
隣の大きい棟の半分くらい。そっちの棟とは連絡通路で繋がっており、行き来できるらしかった。

「こちらで受付をお済ませください」

受付嬢に申込書を手渡され、一通りの受付を済ませた。

「こちらが藤原様のロッカーキーになります。ロッカーの中にガウンと下着が入っていますので、それを着て再度こちらにいらしてください。また、情報流出防止のため携帯電話はロッカーに置いてきていただくようお願いいたします。ロッカーキーは自己管理になりますので、よろしくお願いいたします。」

言われるがままにロッカーへ向かう。
ロッカーの中には、真っ白の質の良さそうなガウンとパンティとキャミソールが入っていた。
パンティもキャミソールも特に気になるところはなく、アレルギー対策なのか綿100%のものであった。

「よかった。紐パンだったりノーブラだったりしたらさすがに困るけど、普通のだ。てかせっかくおしゃれして来たのに、イケメンいなかったなー。」

スリッパに履き替え受付に戻る。
すると、さっきの受付嬢の隣に男性が2人立っていた。
一人は白衣を着ている。20代後半、といったところだろう。整った顔立ちの、キレイな人。
清潔感のあるさわやかな笑顔を浮かべながら受付嬢と楽しそうに話している。
その奥にはスーツの男性。爽やかというよりはかわいらしく、目を細くして笑っている。
20歳いくかどうかの背の小さめな少年だった。
一瞬、白衣の男性と目が合った。
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