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健康診断1泊2日コース~検体はこちらで採取いたします~
第2章 1日目
隣か少し遠くの部屋からだろうか、ガサゴソ音が聞こえる。
紙を握りつぶすような音、プラスチックの袋をパンパンッと広げる音、遠くで「ちょっと痛いですよ」という声。
なんとなく何をされるか想像ができた。

「藤原さん、大丈夫ですか?ちょっとビックリしましたよね。」
一柳の優しい声がかかかると「はい、ちょっとだけ。」と返事をした。

「こちらが今回藤原さんが使用するお部屋になります。安全のため監視カメラがついていますので、危険が及ぶことはありません。立っているのもアレなので、座っていただいて大丈夫ですよ。」

「ありがとうございます。」診察台に浅く座る。緊張が抜けず、変に背筋が伸びてしまう。
一柳は1mほど間隔を空けて隣に座った。

「ちょっとお話を伺いたいと思います。あ、先に血圧測らせてくださいね。まずは確認になりますが、お名前は藤原京華さん。お年は24歳で間違いないですか?」
血圧計を巻きながら言う。

「はい。」

「102/48。いいですね。今回は不感症の検査と治療でいらしてくださった、ですね。えっと、男性経験はありますか?」

「今まで3人あるんですけど、その、途中で終わってしまうというか・・・。お相手は最後までいくんですけど・・・。」

「京華さんはオーガズムを得たことがない、ということですね?」

「そうです。気持ちいいとは思うんですけど、その、中はよくわからなくて。」

「なるほど。オナニーではどうでしょう?」

「えっ。・・・えっと、自分でするときはちゃんとできます。」

「どのようにやるんでしょう?」

「なっ・・・。」

「言いにくいとは思いますが、大切な情報ですので教えてくださいね。」

「(それはわかるんだけど・・・。だって、自分でどうやるかを自分で言うんでしょ?恥ずかしすぎる・・・。てか先生に男性経験や自慰のことを話しただけでもう火吹きそうなのに・・・。)」
考えれば考えるほど答えたくないが、答えないとただ時間だけが経つのは目に見えている。
時間をかけて「答えないと話が進まないぞ!しかもこれは時間が経てば経つほど言い出しにくくなるやつ!!」と自分に言い聞かせ、京華は口を開けた。
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