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健康診断1泊2日コース~検体はこちらで採取いたします~
第2章 1日目
「そうですよね。すみませんでした。もう痛いことはしないのでね。」

「はい。あ、あの、聞いてもいいですか?」

「どうされました?」

「あの、天井・・・」

「あぁ、気になりますか?不感症の方は自分の置かれている状況を自分で認識することも治療法のひとつなんですよ。でも、嫌なら仕方ないですね。香川くん、テープ持ってきてください。」

香川が奥から真っ黒なビニール製のテープを持ってきた。
ボンテージテープだ。

「(いや、そういうことが言いたかったんじゃなくて・・・。)」

「これで目隠ししてあげましょう。そうすれば拘束されている自分を見なくて済みますからね。」

「(いや。違うの。そんなことしたら・・・。)」

香川が頭を支え、一柳が手際よくボンテージテープを巻いていく。
一柳も香川もとてもいい匂いがする。
ただ、このボンテージテープ、ちょっとやそっとじゃ剝がれないし、ずれない。
鼻のあたりまで巻かれたので、視覚が完全に奪われてしまった。
(あぁっ・・・。)
感覚が研ぎ澄まされる。
さっき感じた動悸も下腹部の違和感も、一段と強くなっているのがわかる。

「検査を続けますね。カテーテルを使って採尿したいので、足を開きますよ。足の拘束を外すので、ご自分で開いてください。」

「えっ?・・・・・いや・・。」

「点滴がこんな速さで落ちてますから、そろそろ尿意も強くなっているでしょう?」

「うん」と頷く。

「このまま我慢し続けると膀胱がパンパンになってもっと辛いですよ?」

返事ができずに首を横に振った。

「どうしましょう。困りましたね。」

そんなこと言われても、自分で足を開くなんて恥ずかしすぎてできない・・・。
検尿ってトイレ行けばいいだけなのに・・・。

「どうしても開いてくれないのですね。わかりました。香川、ちょっと部屋を出ましょう。」

一柳と香川は部屋を出ていったようだ。
よかった。これで恥ずかしい恰好しなくて済む。
でも、トイレ行きたい・・・。
おしっこしたい・・・。

しかし、待てども待てども一柳は戻ってこなかった。
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