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レスさんとシンママちゃん【完結】
第10章 レスさんのカラダ


売上入金も終わったので、一度店の方に戻ります


入金口の鍵とレシートを店に戻しておかないと、また明日探し回ることになるので



戻る途中の車内、アキさんはずっと流れる景色を眺めていました




光りの反射でときおり窓ガラスにアキさんの顔がハッキリ映ります




こんなに美人な人だったっけ?




思えば2年前、初めて会ったときはただの同年代くらいのスタッフさんぐらいにしか思わなかった



とりたて美人でもなく、可愛らしいわけでもない



どこにでも居るようなスタッフさん、くらいにしか思えませんでした




でも今ガラスに映るアキさんの表情はとても整っていて、少しさみしげな、刹那的な美しさがありました




いや、



ボクが変わったのかもしれません



だんだんアキさんが輝いて見えてきたからです




気づかなかった魅力に、気づいてしまうと

もう見方が変わってしまうのでしょうか?





そして


変わってきたのはボクだけなのでしょうか?



もしかしたら……








そんな事を考えていたら、すぐにお店に戻ってきました



「待ってて、置いてくるから!」




とアキさんはドアを開けて事務室の扉に吸い込まれていきました




ボクはいつも通り車で待っていたのですが、




なんだか我慢が出来ず、車のエンジンを止めて車を降りました





事務室の扉を開けるとアキさんがちょうど書庫を開けているところでした




「あれ? 待っててって言ったのにい!」




「待ちきれなくって…」




ボクはアキさんの背中に近づき、後ろから抱きしめるように密着しました


両手をアキさんのTシャツのお腹あたりに交差させます





「こらこら、なに急に甘えてんのよ?

 キーボックスが戻せないじゃない」




はじめは照れ笑いしていたアキさんでしたが、お尻に硬くなったものが当たる事に気が付いたのか、笑いは消えてしまいました





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