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レスさんとシンママちゃん【完結】
第15章 出張編 イツキと遊ぼう!


きっと仕事で右手を酷使するだろうから



初めて会ったとき、お店で長い時間させてしまったことを後悔している


あのときは女性をモノのように見ていたのかもしれない


自分が客なら、あれやってくれコレやってくれ、て言うもんなんだろう


でも女の子も当然か弱い女性なのだから、それを何時間も、何人もさせられたらたまったもんじゃないだろう



生きていくために選んだ仕事とはいえ、

とてもキツい仕事なのだな、と改めて思う




辞めさせたいなんて、上から目線は言わない

タマキはイツキを育てるために頑張って、片親でもやっていけるように経済的な余裕や貯金を考えていまの仕事をしてると思う



自分のためより、子どものために毎日働いているのだ


それはどこの親もそうなのだろう


タマキだけが特殊じゃない



現にイツキは元気に育ってる


後ろめたさなんて全くない


でも、夕方からこの部屋に一人ぼっちなのは可哀想だ


でもボクには偉そうなことは言えないのだ


ほんのひとときでも、彼と過ごす時間が有れば


彼がさみしくないようにそばに居てあげれば、

ボクは今日ここに来た意味があるのかな、と思った






これはボクのエゴなんだろうか



余計この親子を残酷にさせているのだろうか





でもふたりで一緒にまちがい探しをしているとき、


イツキは本当に楽しそうなので



ボクはこれでいいんじゃないかな、と思っていた




イツキと風呂に入り、イツキと一緒に寝る



ボクも結構クタクタだったので、彼の添い寝のつもりが、しっかり寝入ってしまった


目が覚めたら11時を過ぎてた



あと1時間くらいでタマキが帰ってくるだろう



ボクは部屋の鍵を閉めて、あの川沿いを歩いてた



まだネオンは光っていて、歩いてる人たちも多い


まだ飲みにいく人も居れば、

呑んだ帰りに風俗へ寄る人も居てるだろう




今まで考えたことも無かった他人の人生が

いっせいに頭の中に入ってくるような錯覚に陥る




ぼうっと川を眺めていたら

自転車の音が聴こえてきた



「オニィさん、オニィさん?」



そこにはフードをかむった女の子が明るい笑顔でボクの前に立っていた……




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