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レスさんとシンママちゃん【完結】
第15章 出張編 イツキと遊ぼう!

タマキたちが暮らすビルの1階、自転車がひしめく場所でもふたりの写真を撮った
「なんでこんな汚い場所で撮るのよぉ??」
「ここがボクとイツキが初めて会った場所だからだよ」
「じゃあ、アンタたちで撮りなさいよ?」
「ジロウねぇ、最初ボクのこと犬の名前で呼んだの」
「ええ?」
「イツキ………よくそんなこと覚えてんなぁ」
ボクらは階段で撮ったり、
玄関のドアの前、
キッチンや、
ベランダ
いろんな場所でふたりの写真を撮り続けた
きっとこんなに2人のツーショット写真を撮ることは無かっただろう
何度もイツキから一緒に写真を撮ろう、とお願いされたけど、歌を歌ったり口笛を吹いたりして誤魔化した
最初はタマキもボクがふざけているだけなのだと思っていたが、それは別れが近づいてきていると察して、突然涙を流した
イツキは突然のママの涙を見て驚いていたが、タマキは気丈にもすぐに涙を止めてみせた
夕方、タマキはいつものように化粧をして仕事に行く用意をする
そしていつものようにイツキがママにキスをして、ママはボクにキスをして出掛けていった
ボクとイツキはふたりでママを見送ったあと、カメラ屋さんを訪れた
画面を選びながら、プリントアウトする画像を選んでいく
ボクは指示するだけで、イツキが全部操作した
せっかくなのでチャチなポケットアルバムではなく、ちゃんとシートで留めるアルバムを選んで買って帰った
ふたりで絵を書いたり、メモ用紙に字を書いて、写真に添える装飾を作っていったけど、イツキはポケモンばかり描いていた
「お風呂も撮っといたら良かったねぇぇ!」
とイツキが言うので
「オジサンのお尻がたくさん映っているの見たらママが怒るぞ?」
と言ったら、オジサンの大量のお尻を思い出して大笑いしていた
イツキの参観日の校門前から始まったアルバムは
特別な日なのは校門前だけで、あとは日常の何気ない光景のものばかり
カメラを向いてポーズを決めているものもあれば、勝手に撮った自然の表情など、我ながら多彩なアルバムとなった
汚い字で「さんかんび」とか「さかやのおじさん」とか書き込みしたメモもいい味出してるなぁ…

