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レスさんとシンママちゃん【完結】
第17章 雨の中のレスさん

スーパーに着くと、横殴りの雨
スーパーはまだ営業していますが、お客さんはほとんど居ない
車が三台くらいしかない
どちらにせよ、そろそろ閉店時間でしょう
薄暗いのでわかりやすいようにハザードを焚いて待っていると、激しい雨の中傘もささずびしょ濡れのアキさんがやって来ました
助手席に乗ってきたら、そのままボクに抱きついて来ました
でもなんだか雰囲気がいつもと違います
少し逼迫したような……
「あ、アキさん……何かあったの??」
でもアキさんは眉間にシワを寄せたまま何も語りません
どちらにしてもこれだけびしょ濡れなのはほっておけません
どうしようか、
ボクの部屋に連れて帰ったほうか良いのか
でも考えてる時間はありません
ボクは車を発進させました
何かあったらしいことはわかりました
車のヘッドライトが流れていく
月曜日の夜の時間は車がいっぱいでした
どうしてもルート的に駅前を通り抜けないといけないので、大渋滞に捕まってしまいました
ボクは決心して車を駅の裏通りのほうへ走らせました
こちらはちょっとしたラブホ街になっています
ボクは適当なホテルに車を入れました
アキさんはさっきからずっと無言でうつむいたまま
特に拒むような様子もありませんでした……
入口で適当な部屋のパネルを押して、エレベーターに乗り、廊下の点滅に誘導されて進みます
いちばん奥の部屋のプレートが点滅していました
ボクはアキさんの肩を抱いて中へ入ります
すぐに浴室へ行ってお湯を張ります
「とりあえず濡れた服脱いでシャワーだけ浴びて!
わかった!?」
アキさんはコクリと頷いて、浴室に入って行きました
ボクはベッドヘッドにある操作パネルを触って、最初から流れていた有線の曲を止めて、部屋をすこし暗くしてから、バスローブ代わりのガウンを出して脱衣スペースに置いてきました
浴室からはシャワーの音が聞こえます
そのあいだに扉のなかからコーヒードリップを見つけてケトルの電源を入れました

