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レスさんとシンママちゃん【完結】
第6章 レスさんとデート

「あんまり遠くまで行くと、次の船に乗れなくなっちゃうわよ?」
「いいじゃないですか、この島で夜を明かしたら」
「嘘でしょう?何も無いじゃない
旅館も無いし、着替えもないわよ?」
どうやら泊まり方のほうばかり心配しています
ボクと泊まるのは抵抗ないのかな?
ボクたちは次の本土に戻る便に乗り遅れないよう、波止場あたりをブラブラします
「防波堤の先端まで行けるかしら?」
「行ってみよう」
ふたりでどんどん歩いて行きます
もちろん手を繋いだまま
フジツボやヒトデ、干からびたフグとかを見てぎゃあぎゃあ騒ぎます
知らぬ間に後ろを振り返ると、とっくに船が接岸していました
「マズい!もどりましょう」
ボクたちは急ぎ足で防波堤の先端から船まで何とか戻って来れました
すぐに甲板がせり上がります
「ギリギリだったわね!」
「間に合わないかと思った!」
アキさんはボクの両手をつかんで、くるりと周り、ボクの腕の中に収まります
「しっかり支えててね」
「うん」
またアキさんのお尻が当たります
わざとやっているのでしょうか?
帰りの船ではまた景色が違いました
夕陽まではいきませんが、日が落ちてきて島の影が色濃くなって、どこかで見たことがあるような海の夕焼けのシーン
ボクは行きの船のときよりももっと身体を密着させ、抱き締めていました
「もうオリーブ園は間に合わないわねぇ」
「そうですね、オリーブ園はまた今度にしましょう」
「ありがとうジロウ君、楽しかったわ」
「ボクのほうこそ色々連れて行ってもらってありがとう」
「なにかお礼しないとね」
「いいよ、そんなの!」
「ダメよ、そんなの! そうねぇ
あ、じゃあ眼をつむって?」
ボクは眼を閉じました
すると前にいたアキさんは背伸びするような動きをします
キス!?
と、思ったら
ホッペにでした
「なんだ、そっちか!」
「ふふふ、期待した?残念ねぇ」
ボクらは笑いながら海の景色を楽しみました

