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レスさんとシンママちゃん【完結】
第8章 レスさんとトイレ

真っ暗な崖の階段
頼りないライトの灯り
強い風と波の音
「こうやって抱き合ってたらロマンチックですね」
「トイレの前じゃない?、全然ロマンチックじゃないわ!」
「こうしてるだけでじゅうぶんですよ?」
アキさんもこちらに寄りかかってきました
「ジロウ君はいろいろズルいわ
やさしかったり、
わたしの嫌がることをして」
ボクは黙ってます
「こうやってそばについてきてくれたりさぁ?
はぁぁ
ありがとうジロウ君
ごめんね、わたし素直じゃなくて」
「じゅうぶん素直ですよ?
恥ずかしいんでしょ?」
アキさんはボクの腕の中でコクリと頷きます
「さぁ、身体が冷えちゃうから、あがりましょう」
ボクたちは寄り添いながらゆっくり階段を昇っていきました
「はぁ、長かった!やっと着いた!
よくこんなところにトイレ作ったわね!」
「おかげでトイレ行けたじゃないですか」
手を繋いでようやく車まで戻ってきました
指を離すのは心苦しく、はずした指をそのまま空きさんの腰に、ベルトあたりに添えました
「……なに?」
「お尻があたまに焼きついちゃって
ちょっとさわりたくて……」
「痴漢みたいな言い方しないでよ」
でもアキさんはボクの手を払おうとはしませんでした
車のドアの真横に立って、アキさんの腰に手を回しています
アキさんもボクのお尻に手を回してきました
「……なんだか、どっと疲れちゃった」
「今日はもう帰りましょうか」
「うーーん、
もうちょっとだけ
こうしていよっか?」
アキさんは少し優しい口調になっていました……

