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特別棟の獣
第14章 新学期
───────…
あれから私たちは順調に付き合えていて、吏生は3年、私は2年になった。
大学内で吏生と一緒にいても、周りのみんなも見慣れたのか私たちを気にする人は減っていった。
今日はお互い講義があるから学食で待ち合わせ。
教室を出て、階段を降りようとしていると「あの、すみません」と後ろから声をかけられた。
「私ですか…?」
正直、この大学では吏生と蒼さんと來くらいしか話す人なんていないから私に声をかけているのかもあやしいところ。
「はい、学食ってどっちですか?」
その人の顔を見ると、整った綺麗な顔をしていた。ミルクティーベージュの明るめの髪が似合っていて長身。
モテるだろうなぁ…
って、そんなことはどうでも良くて、
「私も今から行くので一緒に行きますか?」
「マジっすか…?じゃあお言葉に甘えて」
その人は歩き出す私の隣に来た。
「名前なんて言います?あ、何年ですか?」
「2年で、百合です」
「百合さんっすね。俺1年なんで敬語要らないっす」
「そっか」
男の子と話してるところを吏生に見られたら絶対怒られる…
でも無視なんてできないし…
「俺は玲生(れお)っす」
「玲生くんね」
「お昼一緒に食べません?」
そんな話をしていると、いつの間にか学食の目の前まで来ていた。
「ごめんね、彼氏待ってるから…じゃあね」
少し小走りでいつもの席に向かうと、もう吏生は来ていた。