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特別棟の獣
第19章 1年後──
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あれから1年が過ぎ、私は3年、吏生は4年になってお互い単位は十分に取れていたから有意義に過ごしていた。
私が階段から落ちた後から、もうあの女の人を見ることすらもなくなった。
どうなったかは聞かなかったけど、きっと吏生がなにか手を打ってくれたのだけは分かる。
そんな今日はまた吏生の父さんの会社のパーティーに来ている。
「百合?準備できた?」
「うーん……髪型が上手くきまらなくて……」
大きな鏡の前で仕上げをしていると、後ろから吏生に抱き締められた。
実は、前日からパーティーの会場である最上階のスイートルームに泊まりに来ている。
何かと思えば、綺麗な夜景を見ながらフレンチコースを用意してくれていて、デザートのタイミングでプロポーズをされた。
勿論、断る理由なんてない私は嬉し涙を流しながらOKをした。
まだ大学生だから、籍を入れるのは私が卒業してから。
でもこの事はまだ誰にも言ってない。
昨日の今日で言う暇なんてなかったから、今日お父さんに吏生が挨拶しに行く時に言うってことになってる。