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特別棟の獣
第19章 1年後──

お父さんに話をした後、お母さんに電話すると凄く喜んでくれた。


大学も行かなくて大丈夫だから、今度ゆっくり帰って話聞かせてねと言われて緊張していたのが一気に緩んだ。


まだ吏生のお父さんの所に行かないといけないのに…


「百合、行こ?」と吏生に手を握られて、パーティー会場に入った。


吏生は一直線にお父さんの元に来ると、

「親父、百合のお父さんに話して婚約したから」

と普通に話していた。


私が吏生のおとに挨拶をすると、

「百合ちゃんはこんな奴でいいのか?」

と少しバツの悪そうな顔をしたが、さっき言ったことと同じことを言うと、優しく微笑んでくれた。



その後はお兄ちゃんに婚約の事を言ったり、挨拶してきてくれた人に挨拶をした。


お兄ちゃんも驚いてはいたけど、吏生とたまに会ったりしていたらしく「こうなると思ってた」と笑っていた。

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