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特別棟の獣
第19章 1年後──
〈吏生 side〉
うぜぇなぁ…
さっきから「婚約されたって本当ですか!?」って何度聞かれたことか…
この際、マイクでも使って全員に聞かせたいくらいだ。
あそこにいる女が俺の婚約者ですって。
そう思って百合の方を見ると、何やら蒼の腕を掴んでグラスを取ろうとしていた。
…………何やってんだよ。
周りにいる女達をかき分けて百合の方へ向かうと、それに一番始めに気づいたのは蒼だった。
來なんてケータリング食べながら百合を見て苦笑いしてるし。
「蒼、殺されたいの?」
「いや、百合ちゃんがこんな酒弱いとは思わなくてさ…」
「は?酒飲ませたの?」
「シャンパンをちょっとね…」
確か百合はお酒弱いから飲みたくないって前に言ってたけど…
「どのくらい飲んだ?」
「2杯」
2杯で酔っ払うのかよ……
蒼と話してるのに気づいた百合はムッとした表情で來の後ろに隠れて顔だけ出した。
「百合、部屋戻ろ」
「吏生はまだ話し足りないんじゃないの?」
「………」
そりゃ百合とはもっと喋りたいけど…
「戻って話してくれば?」
………これは嫉妬…?
「それはもうどうでもいいからこっち来て」
「やだ」
即答で拒否されると、百合は來の腕を掴んで俺に聞こえない声で來に何か話していた。
うぜぇなぁ…
さっきから「婚約されたって本当ですか!?」って何度聞かれたことか…
この際、マイクでも使って全員に聞かせたいくらいだ。
あそこにいる女が俺の婚約者ですって。
そう思って百合の方を見ると、何やら蒼の腕を掴んでグラスを取ろうとしていた。
…………何やってんだよ。
周りにいる女達をかき分けて百合の方へ向かうと、それに一番始めに気づいたのは蒼だった。
來なんてケータリング食べながら百合を見て苦笑いしてるし。
「蒼、殺されたいの?」
「いや、百合ちゃんがこんな酒弱いとは思わなくてさ…」
「は?酒飲ませたの?」
「シャンパンをちょっとね…」
確か百合はお酒弱いから飲みたくないって前に言ってたけど…
「どのくらい飲んだ?」
「2杯」
2杯で酔っ払うのかよ……
蒼と話してるのに気づいた百合はムッとした表情で來の後ろに隠れて顔だけ出した。
「百合、部屋戻ろ」
「吏生はまだ話し足りないんじゃないの?」
「………」
そりゃ百合とはもっと喋りたいけど…
「戻って話してくれば?」
………これは嫉妬…?
「それはもうどうでもいいからこっち来て」
「やだ」
即答で拒否されると、百合は來の腕を掴んで俺に聞こえない声で來に何か話していた。