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特別棟の獣
第21章 北海道旅行①


────────…


夏休みが終わる頃、私たちは北海道に来ていた。


千歳空港に着いてレンタカーを借りて目的地に向かう。


「楽しみだね、お腹空いた~」

「まずは小樽だね」

「運転疲れたら代わるから言ってね」

「大丈夫だよ、百合は俺の横で楽しんでればいいよ」



どちらかと言うと私は夜の意地悪な吏生より、この甘々な吏生の方が好きだなぁ。


片手で運転してる姿も横顔も絵になるほどカッコイイ。


「百合、そんな見られてたら運転しずらい」

「駄目?」

「いいけど、あんまり煽ると夜大変な事になるよ?」


チラッと私の方を見てはニヤリと何か企んでる顔をした。


まさか旅行に来てまでいつもみたいな夜になったりしないよね…?


「冗談、旅行メインだから今日と明日は軽くにしよっか」

「軽くって……」


しないっていう選択肢は吏生の中にはないのかな…。
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